勘違い!オルカン+S&P500両方買いは分散にならない

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オルカンとS&P500、両方買えばもっと分散できる?

NISA投資を始めると、こんな考えにたどり着く方が多いと思います。でもそれは分散ではなく米国集中になっている可能性が高いです。

この記事では、オルカンとS&P500を両方買うことの実態と、本当の分散の考え方を解説します。

※運用成績は市場環境により変動します。元本保証はありません。

目次

結論「それ、分散じゃなくて米国集中です」

オルカン(全世界株式)とS&P500を1:1で買うと、ポートフォリオの約80%が米国株になります。「全世界に分散しているオルカンを加えることで、リスクを下げられる」という発想は、実際には逆効果になっています。

オルカンの中身の約65%がすでに米国株

オルカンが連動するMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、47ヶ国以上の株式で構成されています。世界中の株式に分散投資できる商品ですが、その構成比率を見ると、アメリカ株式が全体の約65%を占めています(※比率は時期により変動します)。

「全世界に分散投資している」のはその通りですが、実態としてはアメリカの動きに大きく左右される構造になっています。

1:1で買うと米国株比率は約80%になる計算

オルカンとS&P500を同じ金額ずつ買ったとき、米国株の比率がどうなるか計算してみます。

商品保有比率米国株の割合ポートフォリオへの寄与
オルカン50%約63%約31.5%
S&P50050%100%50%
合計約81.5%(≒80%)

S&P500は100%米国株のインデックスです。これを半分加えることで、ポートフォリオ全体の約80%が米国株になってしまいます。

相関係数0.97は「ほぼ同じ値動きをする」という意味

オルカンとS&P500の相関係数は約0.97と言われています。相関係数は-1〜1の間で表され、1に近いほど「同じように動く」ことを示します。

0.97というのは、ほぼ連動して動くということ。アメリカ株式市場が暴落したとき、オルカンもほぼ同じように下落します。「オルカンを加えてリスクを下げる」という期待は、統計的にもほとんど機能しません。

そもそもオルカンって何が入っているの?

全世界株式インデックスの構成国と比率

オルカンが連動するMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)は、、世界中の多数の国・地域の株式で構成されています。

日本・欧州・新興国の株式も含まれていますが、それぞれの比率は小さく、全体に占める影響は限定的です。構成比率のイメージはこんな感じです。

地域概算比率
アメリカ約63%
日本約5%
欧州(英国・フランス・ドイツなど)約15%
その他新興国など約15%

(※比率は時期により変動します。正確な数値は目論見書でご確認ください)

S&P500の銘柄とどれだけ重複しているか

S&P500はアメリカの大企業500社の株価指数です。AppleもMicrosoftもNVIDIAも、オルカンとS&P500の両方に含まれています。

オルカンのアメリカ株部分は、ほぼS&P500と重複しています。つまり両方を買うと、これらの銘柄に二重に投資している状態になります。

残り35%が日本・欧州・新興国

オルカンの「米国以外」の部分、約35%が本当の意味での地域分散です。日本・欧州・新興国などが含まれます。

これを見ると、オルカンを保有すること自体がすでに「一定の地域分散」をしていることがわかります。

「両方買いたい」人がやりたいことを整理する

分散したい → 実は逆効果になっている

「リスクを下げるために分散したい」という目的でオルカン+S&P500を選ぶなら、その効果は期待できません。先述の通り、米国株比率が上がるだけです。

地域分散の観点から見ると、オルカン一本の方が米国以外の比率が高い分、理にかなっています。

米国比率を意図的に上げたい → それは正しい理解

「アメリカ経済の成長にさらにベットしたい」という目的でS&P500をオルカンに加えるなら、それは筋の通った戦略です。

ただし、その場合は「分散のため」ではなく「米国集中を強める選択」という認識を持つことが重要です。目的と手段がずれていなければ、問題ありません。

今持っている人はすぐ変える必要はない

すでにオルカンとS&P500の両方を持っている場合、大きな問題があるわけではありません。どちらも長期成長が期待できる優良インデックスです。

「なんとなく分散できていると思っていた」という認識を修正し、今後の積立先を整理すれば十分です。急いで売却・乗り換えをする必要はありません。

本当に分散したいなら何をすべきか

株式内の分散はオルカン一本で十分

株式の地域分散という観点では、オルカン一本持つだけで世界47ヶ国以上に投資できます。S&P500を加えなくても、十分に分散されています。

むしろシンプルに一本に絞る方が、管理がしやすく、迷う要素が減ります。

異なる資産クラスで分散するとは

本当の意味でのリスク分散は「株式 vs 債券」「投資資産 vs 現金」の組み合わせです。

子育て世帯にとっては特に、生活防衛資金(現金)と投資資産のバランスが分散の第一歩です。「オルカンとS&P500を両方持つ」ことより「生活防衛資金6ヶ月分を確保した上で投資をする」方が、資産全体のリスク管理として効果的です。

まず一本選んで続けることが大事

二本持つことで「今月はどちらに多く積み立てようか」という判断が増えます。投資において迷いや判断が多くなると、長期継続の邪魔になることがあります。

一本に絞って、シンプルに続けることが長期投資の基本です。

僕がS&P500一本を選んだ理由

オルカンと迷ったが「アメリカが世界をリードする」という考え

NISAで何を買うか、最終的にS&P500一本に絞りました。

迷ったポイントはオルカンとの違いです。オルカンの方が地域分散は広い。でも「世界経済をリードしているのはアメリカ企業であり、その状況はしばらく続く」という自分なりの見立てで、S&P500一本を選びました。

どちらが正解かではなく「理由を持って選ぶ」ことが大事

オルカンがいいのか、S&P500がいいのか。どちらを選んでも「間違い」ではありません。

大事なのは「なんとなく」ではなく、自分の考え方に基づいて選ぶことです。「なんとなく両方」が一番もったいない選択になります。理由があれば、暴落時にも売らずに持ち続けられます。

迷ったらオルカン一本という選択肢もある

「正直どちらか決められない」という場合は、オルカン一本という選択肢は十分に合理的です。

どこか一つを選べない理由がなければ、世界中に分散しているオルカンを積み立て続けることは、シンプルで強い戦略です。

具体的なファンドの選び方についてはこちらの記事で解説しています。

まとめ:「なんとなく両方」が一番もったいない理由

  • オルカンはすでに約65%が米国株。S&P500と1:1で買うと米国株比率が約80%になる
  • 相関係数0.97と高く、両方持ってもほぼ同じ値動きをする
  • 「分散のため」なら逆効果。「米国比率を上げるため」なら理由として成立する
  • 株式の分散はオルカン一本で十分。本当の分散は「株式 vs 現金・債券」の組み合わせ
  • 今すでに両方持っている人は急いで変える必要はない。認識を整理して、今後の方針を決めよう

NISAで何を買うかについては、以下の記事でも解説しています。

家計全体の資産形成方針に迷っている方は、FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談も選択肢のひとつです。プロに話すことで、自分では気づかない整理のヒントが見つかることがあります。

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この記事を書いた人

2歳の娘と妻の3人家族。学資保険よりNISA、保険は掛け捨てのみ。2020年からお金の勉強を続けFP3級・簿記3級を取得。実体験をもとに発信しています。

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