あなた学資保険って入るのが当たり前じゃないの?
僕も子どもが生まれる前は、なんとなくそう思っていました。でも調べてみると、今は学資保険に入っていない家庭のほうが多数派だということがわかりました。
大事なのは「入るか入らないか」よりも、「何らかの方法で教育費を準備できているか」だと思います。
この記事では、最新データで見る加入率の実態と、学資保険に入らない場合の備え方を、NISA(少額投資非課税制度)を選んだ我が家の視点も交えてまとめました。
学資保険に入っていない割合は約6割(2025年の最新データ)
ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査2025」(2025年1月実施・全国の20歳以上の男女1,000名が対象)によると、大学などへの進学費用の準備方法は次のようになっています(複数回答)。
| 準備方法 | 割合 |
|---|---|
| 銀行預金 | 54.3% |
| 学資保険 | 38.4% |
| 資産運用(株式・投資信託・NISAつみたて投資枠など) | 24.1% |
| 財形貯蓄 | 13.4% |
| 学資保険以外の生命保険 | 10.0% |
学資保険で準備している人は38.4%でした。つまり6割以上の家庭は、学資保険以外の方法で教育費に備えているということです。「みんな入っているもの」というイメージとは、けっこう違いますよね。
学資保険で準備する人の割合は、近年はっきり下がってきています。ソニー生命の同じ調査でさかのぼると、次のような推移です。
| 年(調査) | 学資保険で準備する人の割合 |
|---|---|
| 2016年 | 60.6%(ピーク) |
| 2020年 | 42.5% |
| 2025年 | 38.4% |
ピーク時の2016年から、10年弱で20ポイント以上も下がっています。背景には、低金利で学資保険の返戻率(払った保険料に対して戻ってくる割合)が下がったことや、NISAなどの投資が一般的になったことがあります。
ちなみに同じ調査では、子どもにかかる教育資金の平均予想金額は1,489万円と、調査開始以来の最高額でした。準備方法を何にするにせよ、まとまった金額が必要になることは間違いありません。
※この38.4%は「準備方法として学資保険を挙げた人の割合」で、いわゆる契約上の加入率とは厳密には別の数字です。
学資保険のデメリットと、入らない人が増えた理由
学資保険に入らない家庭が増えているのには、いくつか理由があります。
- 返戻率の低さ:今の学資保険は返戻率100〜108%程度が中心で、増える効果は限定的です
- 途中解約で元本割れ:急にお金が必要になって解約すると、払った額より戻りが少なくなることがあります
- インフレに弱い:受け取る金額が契約時に固定されるため、物価が上がると実質的な価値が目減りします
- NISAという選択肢:いつでも引き出せて、長期では増える可能性もあるNISAを選ぶ家庭が増えました
とくにインフレの影響は見落とされがちです。受け取る金額が契約時に固定される学資保険は、物価が上がり続ける局面では、実質的な価値が目減りしやすい点に注意が必要です。
「知らずに入らなかった」のと「比べた上で選ばなかった」のとでは意味がまったく違います。大切なのは、自分の家庭に合う方法を選べているかどうかです。
学資保険にもメリットはある
入らない家庭が多数派とはいえ、学資保険には他の方法にない強みもあります。フェアに見るために整理しておきます。
- 強制的に積み立てられる:毎月自動で引き落とされるので、「気づいたら使っていた」が起きにくいです
- 払込免除という保障:契約者(親)に万一のことがあると、以後の保険料が免除され、満期金はそのまま受け取れます。これはNISAにはない仕組みです
- 元本割れしにくい:満期まで続ければ、払った保険料を下回ることは基本ありません(途中解約は別です)
- 生命保険料控除で節税:払った保険料は生命保険料控除(払った保険料に応じて税金が軽くなる制度)の対象になります
とくに「払込免除」と「節税」は、NISAにはないメリットです。節税の目安は、このあとの比較で触れます。
学資保険とNISA、数字で比較するとどっちが得か
学資保険に入らない人がもっとも比較するのがNISAです。性質を整理すると次のとおりです。
| 学資保険 | NISA(つみたて投資枠) | |
|---|---|---|
| 元本保証 | あり(満期まで継続した場合) | なし(市場変動で増減) |
| 利回りの目安 | 返戻率100〜108%(年利換算0.4%前後) | 運用次第(年3〜7%を期待するケースが多い) |
| 途中解約・引き出し | 元本割れリスクあり | いつでも売却・引き出し可能 |
| 保障 | 親に万一のとき以後の払込免除 | なし |
| 強制的に積み立てる力 | あり(続けやすい) | なし(自分で設定・管理) |
返戻率108%を年利に換算すると、約0.4%程度です。月2万5,000円を18年間積み立てた場合(払込総額540万円)で比べてみます。
| 方法 | 18年後の目安 |
|---|---|
| 学資保険(返戻率108%) | 約583万円 |
| NISA・年利3%想定 | 約563万円 |
| NISA・年利5%想定 | 約687万円 |
※NISAの試算はあくまで参考です。運用成績は市場環境により変動します。元本保証はありません。
年利5%で運用できた場合、その差は約100万円になります。ただし元本保証がない点は学資保険と大きく違うので、「確実性を取るか、伸びしろを取るか」の選択になります。
そもそも教育費はいくらかかるのか
判断の前提として、教育費の相場も押さえておきます。文部科学省の調査などをもとにした一般的な目安です。
| 進路の例 | 高校までの費用 | 大学4年間 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| すべて公立 | 約170万円 | 約240万円(国立) | 約410万円 |
| 公立高校→私立大学(文系) | 約310万円 | 約450万円 | 約760万円 |
| すべて私立 | 約850万円 | 約450万円(文系) | 約1,300万円 |
※学費のみの目安で、塾・習い事・下宿費用は含みません。進路によって倍以上変わります。
節税(生命保険料控除)も入れて考える
学資保険には、NISAにない税制メリットもあります。払った保険料は一般生命保険料控除の対象で、年間で最大4万円が所得から差し引かれます。所得税率10%の人なら、年間で約4,000円の節税です。金額は大きくありませんが、実質的な利回りを少し底上げする要素にはなります。
「併用」という選択肢もある
上位の記事ではよく「学資保険とNISAは併用がおすすめ」と書かれています。それ自体は間違いではありません。ただ、家計に余裕があまりない場合は、どちらかに集中したほうが効率的なことも多いです。投資に抵抗がある・強制的に貯めたいなら学資保険、すでに仕組みがあるならNISA、余裕があれば両方、というのが目安になります。
学資保険が向いている人・向いていない人
どちらが正解かは家庭によって違います。目安はこうです。
学資保険が向いている人
- 投資や資産運用に心理的な抵抗がある
- 元本割れは絶対に避けたい
- 強制的に引き落とされる仕組みがないと貯められない
- NISAなどの口座をまだ持っていない
NISAなど学資保険以外が向いている人
- 18年間積み立てを続けられる仕組みと意思がある
- 多少の運用リスクは許容できる
- 急な出費に備えて引き出せる柔軟性がほしい
- すでにNISAで積み立ての習慣がある
「満期に確実に受け取れる安心感」に価値を感じるなら、学資保険は悪い選択ではありません。一方、すでに積み立ての仕組みがある人は、新たに学資保険を足す必要性は低いと思います。
学資保険に入らないなら、教育費はどう準備するか
学資保険に入らない場合でも、「何もしない」のは危険です。我が家も含め、よく使われる方法は次の3つです。
- NISAで積み立てる:長期・積立・分散を活かせます。始め方は新NISAの始め方【子育て世帯版】にまとめています
- 児童手当を取り分けておく:我が家は児童手当を生活費と混ぜず、教育費として確保しています(最近は長期金利の上昇を受けて、一部を個人向け国債(変動10年)に移しました)。考え方は児童手当の使い道でくわしく書いています
- 定期預金・高金利口座:元本保証で安心ですが、インフレへの対応力は低めです
どれか一つに絞る必要はなく、組み合わせるのが現実的です。教育費が総額でいくら必要かは教育費はいくら必要?全部計算した、貯金とNISAのどちらを先に回すか迷う場合は新NISAの始め方をまとめたこちらの記事で扱っています。




我が家が学資保険に入らなかった理由
僕は2020年から家計・保険・投資を勉強してきて、FP3級(ファイナンシャル・プランニング技能士3級)も取りました。妻の妊娠が分かったとき、教育費の準備方法として学資保険も真剣に検討しました。「投資より有利なら入ろう」と思って、調べ始めました。
結論としては、入るのを見送りました。妊娠当時はつみたてNISA(旧制度)で毎月の積み立てを続けていて、返戻率を年利に換算すると約0.4%という数字を見て、我が家にはNISAのほうが合っていると判断したからです。
ただ、自分だけで決める話でもないので、妻と話し合いました。



学資保険とNISA、どっちで教育費を準備するか話し合いたい



学資保険って安心じゃないの?



返戻率で見ると、18年NISAで積み立てたほうが増える可能性は高いんだよね。
ただ元本保証はない。だからNISAで積み立てつつ、暴落に備えて現金でも貯金しておこうと思ってる



学資保険は入らなくていいの?



解約すると元本割れのリスクがある割に、返戻率が低いんだ。
今のNISAの実績を見てると、そっちのほうが合理的だと思う



わかった
妻もすでにNISAで結果が出ているのを見ていたので、話し合いは割とあっさり決まりました(笑)
「確実性を取るか、伸びしろを取るか」で、我が家は伸びしろを選んだ、ということです。
娘が生まれてからも、毎月の積み立ては一度も止めていません。とはいえNISA一本に賭けているわけではなく、暴落しても困らないように現金(児童手当など)も並行して確保しています。子どもが生まれてからやめた・始めた見直しの全体像は、子供が生まれてやめた・始めた保険と投資にまとめています。


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> 妊娠〜出産〜子育て中の「ママ」のための保険無料相談サービス【ベビープラネット】まとめ
- ソニー生命の2025年調査では、学資保険で準備している人は38.4%。6割以上は学資保険以外で備えている
- 加入率が下がった背景には、低金利・インフレへの弱さ・NISAの普及がある
- 学資保険とNISAは「確実性」か「伸びしろ」かの違い。すでに積み立ての仕組みがある人はNISAが合理的なことが多い
- 入らない場合も、NISA・児童手当・預貯金を組み合わせて準備しておくことが大切
教育費の準備は、早く始めるほど選択肢が増えます。「我が家はどちらが合うんだろう?」と迷う場合は、一度プロに相談してみるのが近道です。
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すでに加入している学資保険を見直したい方は、こちらもどうぞ。


※データ出典:ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査」(最新は2025年版。推移は同調査の各年版より)




